ヒヌカンをはじめてみよう


これまでの説明から沖縄の年中行事の理解や興味もわいてきたかなと思います。最後は説明の中で何度も登場してくる火の神(ヒヌカン)を実際に仕立ててみましょう。
沖縄の人には身近な神様である火の神(ヒヌカン)を仕立てることを「ヒヌカンシタティ」と沖縄では言います。新しく家を建てる時や、事務所を建てる時などにはヒヌカンを準備するのが沖縄では一般的です。
昔、ヒヌカンは位牌と一緒に継承され、次男以下が受け取る時には親元から灰を分けて新しく仕立てる決まりでしたが、最近は新しい灰で仕立てることが主流になってきています。また、ユタという沖縄の霊媒師にお願いして仕立ててもらうことも良いでしょう。
・仕立て(ヒヌカンを準備する)の時期-
旧盆や旧の十月頃、シーミーの時期は避けてなるべくは旧12月24日御願解きの日や、旧七夕の方が良いと言われています。また、家主の生まれ年は避けた方が良いでしょう。

・場所
台所に置きます。おススメはコンロの近くで、東や西に向いているとさらに良いでしょう。

・準備するもの
ヒヌカンセット・・・神御香炉(白)は前日まで塩で清め洗って乾燥させます。
・ウチカビ
・白紙
・赤飯
・ビンシ―
・米
・塩
・酒
・果物
・赤まんじゅう・・・三、五、七の奇数個にします
・ウチャヌク

●手順
1.ヒヌカンセットを台所に設置し、お供え物をします。設置する際にはお供え物を三列に分けます。最後列に香炉を置きます(この時に新しい灰でヒヌカンを仕立てても問題はありません)。隣に置く花瓶はチャ―ギを活けます。二列目には湯飲みを置き、中身はお茶ではなく水を入れてください。次に盃を準備しお酒を入れ、隣に置く小皿には塩を一つまみ分のせます。最前列にはウブク茶碗と呼ばれる小さな茶碗を三つ使いますが、赤飯又は白飯を盛り供えます。
2.ヒヌカンに線香を十二本立て、これから夫・妻の両親から灰を分けてもらう旨を報告します。
3.最初は夫の両親から灰を分けてもらいに家へ伺います。その際にビンシ―と果物、盃、ウチャヌク、赤まんじゅうをお盆に載せて持っていきます。
4.家に着いたら、持参したお盆を並べて十二本の線香を立て、灰を分けてもらう旨をお伝えします。
5.家の香炉の灰を底の部分からスプーンで3回すくい取ります。この時に灰を運ぶための袋を準備しておくとよいでしょう。
6.次は妻のご両親に灰を分けてもらいます。手順は3と4と同様のやり方で行いましょう。
7.夫・妻の両親から灰を分けてもらい終わったら自宅に戻り、自分のヒヌカンの香炉に塩と米、そして分けてもらった灰を入れます。
8.先ほど外出で持っていたお盆をヒヌカンの前に置き、白紙を供えます。線香を十二本の三組準備し香炉の横一列に並べます。
9.次に玄関のドアを開け、神々とヒヌカンをつなぐためにヒヌカンにお祈りをします。その時に、住所、家族構成、生まれ年、その日の日付を述べ、神様、ご先祖に家族の安全を祈願します。
10.祈りが終わった後、玄関にお盆を持って移動し、ヒヌカンが家に入る準備ができたことを祈り報告します。これでヒヌカンの仕立ては出来あがりました。
11.この日からヒヌカンが家を守ってくれるということで、家族とお祝いをします。食事は昆布巻き、かまぼこなどの縁起の良い物を食べましょう。